2016年8月4日木曜日

QA 事前メモ




◯技術面

*集団走行中、前の人に合わせて走行しているつもりが、急に距離が縮まったりしてしまい、接触をし、落車してしまいました。対処法をお願い致します。
→①「集団走行」ですので、集団のメンバー全員が安全に走れる様な意識付けが必要です。前を走る人は、後ろの人が困るような減速や方向転換は避ける。後ろを走る人は、前走車だけでなく、路面状況、傾斜、風向き等を注意して間隔がどうなるかを読む努力が必要です。常に前走者の肩越しに集団の前を見る様に。普段の練習で出来ないとレースでは尚更出来ません。日頃の練習から集中して、質の高い集団走を心掛けましょう。
②集団走行時に重いギアを使っていると、前後位置の調整に無駄な車間の詰め&余計なブレーキが必要になるので、ブレ幅が大きく落車の原因になりがちです。90回転前後のケイデンスを目安に、集団内でのペダリングピッチが近しいレベルになるようにしましょう。

*集団走行時の効率的なローテーションの仕形を教えていただきたいです。
→状況によって異なりますが、基本パターンは講習会でお伝えします。

※ブレーキを使うタイミングについて、教えていただきたいです。
→減速する時です...集団内で走る時に車間調整にブレーキ等をしなくても良くなるような走り方をお教えします。

※集団でのコーナーリング
→講習会で指導しますが、常にコーナーのイン側の人に合わせる&無理だと思うスピードには付き合わないです。

◯安全面
*正しい落車の仕方を教えていただきたいです。
→まず転ばないでください!(笑)転ぶ時は逃げられないので、転んだ時にダメージが最小限にする様にしましょう。グローブをする。ヘルメットをちゃんと締めて被る。また、転ばない様にする&咄嗟の動作に対応する為の普段からフォームが非常に大事です。別途お伝えします。

*落車後、走行する際に恐怖心が生まれやすくなってしまい、解消法などがあれば教えていただきたいです。
→恐怖心は慣れて克服するしかありません。日頃の練習から、安心して集団走行を集中して練習出来る環境が大事かと思います。(信号や周囲の交通を気にしないでいい箇所でチーム練習するなど)

*ハンドサインの一式をもう一度教えていただきたいです。
→チームやクラブによって異なりますが、チーム内で理解していない人がいる可能性がある場合は声を出すのが絶対です。サインやメッセージは伝わらないと意味がありません。理解できない信号は暗号です。(合同合宿等ではルールが違う人もいるので基本は声です。)

*危険察知をしやすい、かつ空気抵抗が少ない姿勢とその時の目線の位置を教えていただきたいです。
→目線は「前を見る」のみです。他は一切ありません。空気抵抗を下げるのは頭を下げるのと、脇を締めるに尽きますが、各人の体の柔軟性と筋力に大きく起因します。(エアロフォームの結果踏めなくても意味が無いので、その観点でポジション・フォームは非常に重要です。)※死亡事故に繋がるので下は絶対に向かない!!

◯ペダリング
*バイク終了時に、太ももやハムなど、脚をつってしまいます。ランに繋がるために、脚を使いきらないようにしたいです。走行時の筋肉の使い方で、最も良い使い方を教えていただきたいです。
→①バイクパートで重いギアに頼って走り過ぎているか、自分では気付いていない加減速を繰り返して、筋グリコーゲンを使いすぎているのかもしれません。日頃の練習からケイデンスでスピードを維持する意識をすると良いのではないでしょうか。足攣りはミネラルと水分のバランスが崩れた時に出易いので、スポーツドリンクやミネラルタブレットの摂取の他、レース・練習前にしっかり睡眠することも大事です。
②また、特定の筋肉だけ漕ぐペダリングやフォームになっていませんでしょうか。全身の筋力を導入しやすいライディングフォームを走りながら追求していきましょう。

*引き脚で漕ぐメリットは何でしょうか。お願い致します
→個人的には引き足でパワーが出ることはないと考えています。踏んでる脚の踏力を無駄にしない為に、逆側のペダルにかかる力を抜いてあげると言うのが引き足の正体です。3時で踏む事を中心に円の接線方向にベクトルを描くイメージでペダルを漕ぎましょう。



*少しでも登りになってしまうと、出力が落ちてしまいます。登坂力をつけるには、どういう練習がいいのか、またうまく出力を落とさなずに走行する方法はありますか。
平坦でと登坂の時の走行方法の違いも教えていただきたいです。
→出力(パワー)が落ちているのでしょうか?スピードが落ちているのでしょうか?登りは勝手にスピードが落ちますので、あまりオーバーペースにならない様にするのが大事です。平坦では脚の回転が90回転前後で回転力をベースに走りますが、登りはケイデンスが低くなる為、筋持久力が求められる様になってきます。いづれも高回転でブレない上半身、登坂でフォームが崩れない体幹の両方がレベルアップの肝です。

◯トレーニング
※バイクのトレーニング方法を教えていただきたいです。(トライアスロン)
→オリンピックディスタンスの40kmを念頭に置くなら、1時間ちょっとを一定強度で速く走るのがゴールですから、まずは1時間あたりの平均時速を高める練習が簡単に自己管理がし易いのかと思います。(その中で効率的なフォームや走りを身につけていくことになろうかと。)先頭争いをする様にならない限り、自分との闘いの側面が強いので基本は先の通りで、あとはコースに数分の登りがあるなら同じ様な登りの練習、集団の高速コースなら集団走行の練習と言った具合に目標に応じて、練習をカスタマイズしましょう。大事なのはレースとプロファイルが異なる練習をしない事です。基礎体力を整える為に、長距離走行は必要ですが、ある程度の実力がついたら、レースに合わせた練習をしない限り、レースで戦う力は身につきません。
大井埠頭と同じ様に信号で止まるレースがあるなら、大井埠頭で練習すれば良いと思いますが、そうでないなら何かを変える必要があるかもしれません。

→翻って、ロードレースの場合は距離が10kmのクリテリウムだろうが、200kmのロードレースだろうが、勝負所のスピードやコーナーでのテクニックで一瞬でも差が出来て、穴が埋められなければそこで脱落して終わってしまうので、瞬間のスピードとその持続力が自転車選手としての最も重要な要素です。もちろん、本格的なロードレースを目標にする場合はレース時間と同じだけの時間ノンストップで走る様なロードワークと上記を鍛えるスピードインターバル等が週末のメインになろうかと思います。

安全講習会

安全講習&レースコース練習会

1. 安全講習編
A 1人で走るとき
⑴自転車のセッティング

①ポジション:背中、肘、膝に余裕のあるフォーム。身体の一部が伸び切るような状態はNG。


②レバーの位置:自然な腕の角度でブレーキが握れるか。


③走る前に:空気圧やネジの緩み・各部にガタがないか確認。注油も忘れずに。
※トライアスロンは必ずシートピン・ポストのネジを出走前にチェック。必ず予備を持っておく。



⑵ペダリング

①ペダルは踏むのではなく、回すもの。腰回りを中心に動かす意識。
②平坦では90回転±10回転が基本。加速する時も回す事を意識。上り坂は65回転〜75回転でOK。トライアスロンは可能な限り一定ペースで。ロードレースの場合はアタックや再加速に対応出来るギア比&ケイデンスで。

⑶ブレーキの掛け方、曲がり方
①前後ブレーキの使い方、急ブレーキのフォーム


②ハンドルで曲がるのはダメ!体重移動で曲がる。
③バイクを倒してみよう。外脚荷重と低重心の重要性。


⑷段差や障害物の対応
①段差越えでパンクしない為の体重移動
②跳び越える?!


B 集団の走り方
⑴前後左右の間隔の取り方
①前後位置:前の人の背中や後輪を見ないで、前の人の肩越しに集団前方を見る。間隔を一定に保つ。(間隔が安定しないと無駄に漕いで、ブレーキの繰り返しになってしまう。)
②横位置:徐々に間隔を狭くして走れる様になると、空気抵抗が少ない
③慣れないうちは車輪を重ねないようにしましょう。


⑵集団走行時のペダリング、変速
①回転数:なるべく集団のメンバーの動きに揃える様に、あまりに違う回転数は集団内での差を作る原因に。
②変速:集団内での1人だけ違うギアを使って走るのは、1人だけ疲れ方が違うという事。速い選手のマネをしよう。

⑶接触時、障害物への対応

①ぶつけられても逃げない。優しく押し返してあげるイメージ。
②ぶつかってしまっても、急ハンドルやブレーキは厳禁!
③障害物を発見したら、すぐに合図!わかりやすいアクション&大きな声で!メッセージは伝わらなければ意味無し。


⑷1列走行、2列走行
①1列走行:高速走行時の基本
②2列走行:巡行時の基本


⑸先頭交代、ローテーション
①先頭に立っても急にペースを上げない。一定ペース。
②キツイ時は疲れを感じる半歩手前で交代する。
③下がるタイミング、踏み直すタイミング感覚を身につけましょう。


⑹並走時のコーナリング

①イン側の選手は外に膨らまない様に、余裕のあるブレーキングと進入速度で。
②アウト側の選手は、イン側の選手に合わせてあげるのと、相手の視界に入る位置で曲がる事。


⑺集団内での補給
→どっちの手を使います?


2.レースコース練習会
①実戦的な隊列走行とコースのライン取り
②集団走行時の戦術

ヒント
トライアスロン(オリンピックディスタンス)
40kmを如何に無駄な労力なく速く走るかがポイント。バイクの位置がランの順位を大きく左右することがあるので、自分の周りの選手と一つ前の集団についていく為に協力が必要。集団内の小競り合いや勝負に絡まない位置でのアタック等はあまりよろしくなく、Steadyに走る事が重要ポイント。よって集団走行の技術で省エネかつ効率的に速度を維持する事が非常に重要。


ロードレース(クリテリウム)
30分〜2時間程度の短時間ハイペースなレース展開。アタック・ダッシュが常に掛かる為に集団後方に追いやられたら脱落してしまう。常に集団前方に居座れるだけの集団走行技術とスピード・先頭交代をこなせる実力がレースで活躍する為の大前提。

ロードレース(長距離)
3-5時間に及ぶ長時間レースの為、体力を温存する事・アタックに瞬時に対応すると言った、一見二律背反するようだが、マラソン選手と短距離選手の両方の能力を兼ね備える必要がある。登りが速い選手が活躍出来ることも多いが、相応に平坦や下りのハイスピード区間が多いコースがほとんどなので、勝負所まで到達できる様な集団内での位置取り等が非常に重要。(※欧州のレースでは上り坂に入る前にアタック合戦が始まり、スピードのないヒルクライマーはそこで脱落する。(その点でクリテリウムの走力は長距離ロードで活躍するにあたっても必須))


3.質疑応答
日々のトレーニングのコツなど(希望あれば)